研究助成(地域工学分野)
趣旨
現在、日本は人口減少や少子高齢化、産業空洞化など様々な社会課題に直面しています。その問題解決や課題解決に向けた様々な取組の中で、大学などの研究機関が生み出す研究開発成果を移転し、地域のイノベーションの創出を促進するという活動と共に、新たな研究のシードを課題を抱える地域の中で発見・顕在化し、産学官連携のなかで横断的に取り組んでいくことが望まれています。
我が国の健全な国土の発展には、各地域の個性を活かしながら持続的かつ横断的な地域創成が不可欠であると考えます。そこで、地域の課題を工学の知見によって解決する実践的工学研究を促進するともに、孤立しがちな各地域を緩やかに結びつける横断的なプラットフォームを醸成するために、「地域工学」と名付けた新しい分野を当財団の研究助成事業に創設して、研究資金を助成します。
なお、本分野においては、地域再生を主眼とした工学・技術の研究開発を支援する「研究開発」コースと、工学・技術を活用した地域再生の実践的取組みを支援する「研究実装」コースの2種類を用意しています。
選考
我が国の大学、その他研究機関等に勤務し(雇用関係があり)、研究活動に従事する研究者、及び中学校及び高等学校の教員(但し工学系学会所属)を対象に募集します。
本分野の研究では地域に根ざした実践的工学研究のため、地域住民や学生、ボランティアを始めとした地域や自治体・研究機関、各種協同組合や社団(例:町内会、自治会、地域おこし協力隊、NPO)等が参画されている研究活動を推奨しており、助成期間中に地域でのワークショップの開催をその研究計画に含めてください。
応募については、当財団におかれている選考委員会において
- 主題の設定、研究方法について、発想が独創的であり、研究内容の今後の展開が期待されること。
- 研究計画が十分具体的に検討されており、その実現性及び成果について期待がもてること。
- その研究への助成が、当該主題に関する研究、又は研究体制の今後の発展の契機として貢献出来る可能性があること。
- 当財団の助成対象としてふさわしいものであること。
などの視点から、2段階審査を行い、選考委員会において予算を勘案しながら候補者を選定し、これを受けて理事会が助成対象者を決定しています。
募集要項及び応募申請
【受付終了】令和7年度(2025年度) 助成研究課題の募集は、令和6年10月8日(火)12:00で締め切りました。沢山のご応募、ありがとうございました。
公募ポスター(PDFリンク) 従来型研究助成への応募は こちらのリンクから
令和7年度(2025年度)前田記念工学振興財団 研究助成募集要項等は右の貼付ファイルをご確認ください。(2024/8/1 募集要項を更新しました)
地域工学分野の申請用紙(Word版)は、右の貼付ファイルリンクからダウンロードしてご使用ください。
電子申請システム(Graain)による提出方法は、右の貼付ファイルリンクよりマニュアル(PDF-2MB)を参照ください。(提出前に操作マニュアルの12ページをご確認ください)
助成者一覧
令和7年度
研究助成者一覧
代表 |
所属 | 研究課題 | 助成額 (万円) |
コース |
牛木 彩子 | 国際医療福祉大学 | 傾斜地における高齢者の身体能力と行動範囲の研究 ―熱海市においての転倒予防パンフレットとワークショップ | 50 | 研究 実装 |
入江 光輝 | 宮崎大学 | 中学生がつなぐ気候変動に対応した宮崎県五ヶ瀬川の流域治水 | 150 | 研究 開発 |
鈴木 素之 | 山口大学 | 災害復旧・復興期における複合災害の発生に対応した防災福祉コミュニティの創成:令和6年能登半島地震とその後の豪雨災害を踏まえて | 150 | 研究 開発 |
廣石 秀造 | 日本大学 | 自伐型林業における伐採材の建築的活用に関する研究 | 150 | 研究 開発 |
福林 良典 | 宮崎大学 | 日南層群における道路土工の設計施工ガイドライン作成に向けた事例研究 | 50 | 研究 実装 |
五三 裕太 | 九州大学 | 福岡県柳川市における水門を活用したローカル・インフラツーリズムの開発―地域主導による総合的な水環境管理・活用に向けて | 150 | 研究 開発 |
林 倫子 | 関西大学 | 防災まちづくりへの応用を目指した滋賀県水害履歴調査 | 50 | 研究 実装 |
平尾 しえな | 東京科学大学 | 里山フェムテック −道具からみる農的活動への女性参加の可能性− | 150 | 研究 開発 |
武樋 孝幸 | 長岡工業高等専門学校 | 再生可能エネルギー複合利用による施設園芸のゼロエネルギーモデルの構築 | 150 | 研究 開発 |
渡邊 大志 | 早稲田大学 | 「むらやし」研究‐特産品「むらやしプロダクト」の開発による、地域の自律的運営方法の検証に関する実践的研究‐ | 150 | 研究 開発 |
陳 建中 | 畿央大学 | 住居近傍における「屋外居場所」の創出および空間装置の在り方 | 150 | 研究 開発 |
計11件 助成額計 1,350万円